この記事では僕が長年愛用しているギターについて紹介・解説をします。
これは15年前くらいに日本の「Freedom Custom Guitar Research(フリーダムカスタムギターリサーチ)」さんにセミオーダーをさせていただいたギターです。
完全なオーダーではないですが、自分なりにこだわった部分がありオーダーをしました。
オーダーした本人が徹底的に解説をしたいと思います。
「へ~、こういうギターなんだ~」と楽しんでもらえたら嬉しく思います!
オーダーギターのコンセプトは「なんでもできるバランスの良いギター」のコンポーネント系
「オーダーギター」はギターをしている人の憧れですよね。
僕自身、ギターの仕事がほんの少し頂けるようになった20歳頃にオーダーギターが欲しいと考え始めました。
オーダーギターのコンセプトは「なんでもできるバランスの良いコンポーネント系ギター」です。
よくあるタイプの発想で、大好きな日本のギタリストの今剛さん、松原正樹さんが使用していたVaritaやTom Andersonのようなギターを目指していました。
大枠はコンポーネント系で自分なりに欲しかった仕様を叶えてくれました。
オーダーギターのサイズはディンキーサイズでSuhr Guitarと同じボディとヘッド
フルオーダーではなくセミオーダーでいくつかのサイズから選ぶ仕様でした。
ディンキーサイズでSuhr Guitarと同じボディとヘッドサイズです。
当時はSuhr Guitarなどは日本に入ってくるのが少なくて価格もだいたい60万以上するものばかりで憧れのギターでした。
それで「コンポーネントだったらSuhrやろ!」という感じで選びました。
サイズは普通であればよくてそこまでこだわりはありませんでした(笑)
オーダーギターのヘッドはマッチングヘッド
ヘッドはボディと同じようにメイプルを張るマッチングヘッドにしてもらいました。
ボディと同じ模様と色ってカッコイイですよね。
今はプレーンな感じも大好きですけど、当時はマッチングヘッドは憧れでした。
オーダーギターのペグはスパーゼル(SPERZEL)でロック機能を持たせました
ペグは「スパーゼル(SPERZEL)」です。
このスパーゼル(SPERZEL)はペグ部分で弦をロックさせてくれます。
ロックをするためチューニングが狂いにくい。
フロイドローズのようなロックがペグ部分でできるというイメージです。
個人的にフロイドローズはそこまで好きではないので載せたくなくて、フロイドローズを使わないでチューニング精度が良い・狂いにくいというのでスパーゼル(SPERZEL)は最適でした。
今でもほぼ狂わなくて現場でも安心して使用できるので助かっています。
オーダーギターのナットは牛骨、ナット幅は43mm。
ナットは牛骨です。(のはず)
ナットの素材についてはあまりこだわりがありません。
ただし、さっきも書いたようにフロイドローズは嫌だったためロックではないのを選びました。
フロイドは今まで使ってきたのだとどうも音が薄い感じを受けて、普通のナットやブリッジの方が音が太いと感じていました(今はもっと良くなっているのかもしれないけど、当時は)
なのでフロイドは選択肢になかったんです。
牛骨ナットは不具合もないし、滑りも良いし不満はないです!
ナット幅は43mmにしました
ナット幅はお願いして43mmにしてもらいました。
これは当時使用していたのがMusic man EVHでした。
EVHはナット幅が41mmで少し狭いなと思っていました。
この時に安易な考えで「太い方が鳴りが良さそう」というので太くしました。
使ってみて実際音は太めだし握り心地も良い、握った感じも太いとは思わず普通に扱える太さ。
良いのか悪いのかは正直分からないけど、音が細くないのでOKです。
オーダーギターのネックは結構こだわりました。材質はハカランダ/メイプル【最初はココボロだと思ってた】
ネック部分がオーダーをするために至ったはじめの一歩でした。
「いつかオーダーしたいな~」と思っていた時にヤフオクを見ると、材がかなり安く売られていました。
その中で指板材で「ハカランダだと思いますが記憶が定かではないため一応ココボロでの出品です」というものがありました。
しかも値段が2000円くらい!!
ココボロはハカランダ、ブラジリアン・ローズウッドとかなり近い音響特性を持っているものでした。
「よくわからないけど同じ音質でこんな安いんだったらいいじゃん!」と思って買いました。
(安いかどうかの知識はほとんどなかったんだけどねw)
当時仲の良かった楽器店の店員さんと話したら
「ちゃんとしたところで保管しないと湿度でイカを炙ったみたいに反っちゃうよ(笑)」と言われて、「それはマジでヤベー」と思って、どこに預ければいいかと思ってフリーダムカスタムギターリサーチを選び預けました。
だから指板材は持ち込みだったんです。
フリーダムさんに「ココボロなんですけど~」というと「むむむ??」といい含水量とか色々調べて言ったのが「これね、ハカランダだと思うよ。 100%とまでは言えないけどハカランダだと思う」と言ってくれました。
希少材のハカランダを格安で手に入れられてたわけですね~。
まぁ、100%とまでは言えないのでハカランダなのかココボロなのかはわからないですけど不満はないです。
この指板材がオーダーギターに踏み出す最初の1歩になりました。
ネック材はメイプルです。
オーダーギターのネックの形状は非対称ネック
ネックの形状は非対称ネックにしました。
Music man EVHや当時のMusicman AXIS系は全て非対称でした。
6弦や5弦あたりは少し膨らんでいてでっぷりしているものです。
これだと握った時に手全体で覆えて握り心地がめちゃくちゃ良いんです。
Music man EVHを使っていて非対称ネックは大好きでした。
なのでオーダーギターでも非対称ネックをお願いしました。
握り心地良いし好きですね~^^
オーダーギターのフレットはステンレスフレット。錆びないしツルツルでメンテナンスほぼ不要でストレス皆無
オーダーギターのフレットはステンレスフレットです。
錆びないしツルツルでメンテナンスほぼ不要でストレス皆無。
このギターでステンレスフレットを使いましたが、もうステンレスフレットじゃないと使いたくないと思うくらい気に入ってます。
新しく買った「Harley Benton」のギターもステンレスフレットです。
フレットの高さやサイズはFenderと同じサイズです。
ジャンボフレットなどではなく、なんでもできるタイプのギターが欲しかったのでフェンダー系のにしました。
フェンダー寄りのコンポーネントギターのイメージ。
少し細めというのもあり、音がブットい訳ではないんですけど、コードやカッティング時のシャキッと感やキレはあると思うので好きです。
オーダーギターのボディ材はキルトメイプル / アルダー
オーダーギターのボディ材はキルトメイプル / アルダーです。
よくある組み合わせですよね。
このキルトメイプルもヤフオクで購入しました。
「5Aのキルトメイプル」でたしか4万円くらいかな?
当時は5Aのメイプルにすると+10万かかる…て感じだったからかなり安く購入できた気がします。
これも購入してフリーダムさんに預かってもらいました。
今だったら迷惑もかけちゃうし材の預けるのはしません><(当時はすみませんでした~)
でもキルトメイプルのもりもりしている杢目は大好きですね☺
ちなみに色は「ラッセンの絵の深い海の底」を見せてこんな感じでお願いしますと言ってしてもらいました。満足です♪
オーダーギターのネックジョイントは普通だけど弾きやすいです。
オーダーギターのネックジョイントは普通だけど弾きやすいです。
しっかり22フレットまで届く。
ネックジョイントが当たって痛い・気になるというのもない。
プレイアビリティは良いです。
オーダーギターのPUはSuhr ML×2、SSV+のSSH配列。
オーダーギターのPUはSSH配列。
コンポーネントと言ったらSSHやろ!ということでSSH。
EVHのギターでHHがあったのでフロントがシングルのが欲しくて使い勝手が良さそうなギターが欲しかったためSSHです。
使用PUは
Suhr ML×2、
Suhr SSV+
です。
ブリッジは最初は「SUHR ( サー ) / DSV Neck Black
もう少しパワー感が欲しいのと、もう少しヴィンテージっぽいのがいいなと思って。
MLはノーマルなシングルとは違い、かなりファットでジューシーなシングルですが、めちゃくちゃ気持ち良いです。
これをシングルと言っていいのかためらうけど、とにかく気持ち良い。 これはかなりオススメですね!
ポジション | 使用PU |
---|---|
Neck | SUHR ( サー ) / ML Neck WHITE |
Middle | SUHR ( サー ) / ML Middle WHITE |
Bridge | SUHR ( サー ) / SSV+ Zebra |
オーダーギターの電装系はPUセレクターは5WAY、スイッチで直列・並列、ヴォリューム、トーンノブ
オーダーギターの電装系は比較的普通です。
スイッチの部分はちょっと面倒なお願いをしました。
スイッチでハーフトーン時に直列・並列を操作
スイッチでハーフトーン時に直列・並列を操作ができます。
「フロントとミドルが直列になってハムバッカーになれば便利そう」と思いお願いしました。
スイッチを入れてフロント・ミドルのハーフトーンにすればハムフロントと同じ音・・・が鳴りません(笑)
まぁ、接続としてはそうなんだけどハムと同じ音はしませんね(笑)
でも少し違う音が出せるので「バリエーションの1つ」としては面白いので良いと思っています。意外と使える。
新しいギター(ツーハム)もトーンノブを引っ張るとコイルタップができるけど便利。
何かしらのスイッチがあると音のバリエーションが増えるので大好きです。
オーダーギターのブリッジはWilkinson ウィルキンソン
オーダーギターのブリッジはWilkinson ウィルキンソンです。
スパーゼルのペグとウィルキンソンのブリッジは王道な組み合わせでした。
王道なだけあって良い感じ。
カッコイイのも良し。
オーダーギターのトレモロスプリングはRAW VINTAGE RVTS-1、共振防止にゴムを挟んでいます
オーダーギターのトレモロ裏はこちら。
トレモロスプリングは定番の「RAW VINTAGE ( ロウビンテージ ) / RVTS-1 トレモロスプリング
バネは色々試した結果3本で上記画像のようなかけかたが一番弾きやすかったです。
チョーキング時の柔らかさも気に入っている。
また真ん中にある黒いのはゴムの切れ端です。
バネの共振は良いリバーブ感を得られるものの、アンプシミュレータを使っていた時に音を切っても「ジャン…」と音が鳴ってしまって困っていました。
フリーダムさんに相談したら、ゴムを挟んでくれてかなり共振がなくなりました。
普通に鳴らすだけならたくさん鳴ってた方がいいんだけど、録音をする場合は邪魔な場合もあるのでデッドな感じの方が扱いやすいです。(僕の場合は)
なんでも挟めば少し抑えられますので、気になる方はお試しあれ。
【おわりに】FREEDOM CUSTOM GUITARのセミオーダーギターの紹介。【愛機フリーダムギター】
以上が僕の使っているオーダーギターの解説・紹介です。
15年以上使ってきてかなり気に入っています。
最近はHarley Bentonのギターを使うことが多いですけど、SSH配列が欲しい・シングルサウンドが欲しい場合は重宝しています。
SSHはなんだかんだ守備範囲が広いので好きです。
色々な現場で使ってきたのでキズも多いですけどこれからも愛用していきたいです☺