先日、ピアニスト堀江沙知率いるSANOVAのライブを取材させて頂きました。
SANOVAは3rdアルバムが出た時点で、iTunesランキングでアルバム3枚が1~3位を独占! というピアノインスト界隈のトップを激走している注目株ユニットです。
そのSANOVAのツアーファイナルのライブでベースを弾いたのが 山根幸洋(やーまん) さん です。
ライブでもお馴染& SANOVAの1~3枚の全てのアルバムでベースを録音しているのが山根幸洋さんです。
今回、山根幸洋さんにインタビューをさせていただきました。
基本はこのライブで演奏したSANOVAの曲についての質問です。
僕は山根幸洋さんとは何度かお会いしている&共演もしたことがあるのでかなりツッコんで質問をしちゃいました。
顔見知りというのもあり、かなり緩めでフランクな質問になってしまっていますがご了承ください><
ベースを弾かれる方、SANOVAファンの方には楽しめる内容かと思います^^
また、SANOVAのコピーをされる方は必見の内容です!
※インタビュー経験が浅いため質問が抽象的で拙いですがご容赦を・・・。
丁寧に答えて下さった山根幸洋さんには感謝です。
山根 幸洋 プロフィール
SANOVA Tour Final Special Live ダイジェスト動画
インタビューの前に「SANOVA Tour Final Special Live @新宿MARZ」 のダイジェスト動画を是非ご覧ください。
パート | メンバー |
---|---|
Keyboard | 堀江沙知 |
Bass | 山根幸洋 |
Drums | 川口千里 |
SANOVA Tour Final Special Live セットリスト
ここからインタビューです!
山根幸洋さんがSANOVAの曲で好きな曲は何ですか?
今日のセットリストか~、2曲くらい思い浮かんで、両方とも新しいアルバム「BLISS」からなんですけど、1曲目の「Liberty」と2曲目の「空知らぬ雨」ですね。
ポップでSANOVAっぽくて好きですね。
Liberty / SANOVA 3rd Album 『BLISS』
3rd Album 「BLISS」集録
空知らぬ雨 / SANOVA 3rd Album 『BLISS』
1:36~
3rd Album 「BLISS」集録
山根幸洋さんがSANOVAのアルバムで好きなアルバムは何枚目ですか?
僕はね・・・3枚目かな。(BLISS)
なんだろ、単純にさっちゃんとのやってる年月などもあり、個人的には三枚目は徐々にバンドっぽくはできたかなと。
リスナーさんではなく、普段演奏している+レコーディングをした人はどう思うのかなと気になって質問してみました。
そうなんですね~。 録るのに一番苦労したのはやっぱり2枚目(Elevation)なんですけど、3枚目はわりとすんなりいきつつ、音のバランスもみんなのバランスも一番良いアルバムになったかと思います。
山根幸洋さんがSANOVAのアルバム3枚目「BLISS」で一番大変だった曲はどの曲ですか?
大変だったのは、う~ん・・・なんだろうな。 「枯葉」かな?
でも、なんだろな。3枚目は意外にベース的には順調に録れて、「枯葉」は単純に手数が多かった・・・かな。
3 枯葉 〜Autumn Leaves〜 (jazz standard) / SANOVA 3rd Album 『BLISS』
あの曲はちょっと、師匠の影響が出てしまっている曲でもありますね。
そうですそうです。もう15~16年くらい前にCASIOPEAにいた櫻井哲夫さんについていて、ちょっとだけ1年くらいいて。その時はファンだったので。
今は師匠を追い過ぎていてもあれなんで聴く回数は減っているんですけど、枯葉のようなのをやると心の中で櫻井さんのイズムが入っていたという(笑)
やりながら「おぉ、これは」とか「こういうフレーズ(自分の中から)出てきたんだ」みたいな(笑)
櫻井さんには習っていたんですか?ローディーとかですか?
専門の時に習っていました。
その時はFusion小僧だったので(笑)
あ~、そうそう。本当はJAZZをやりたくて学校に行ったんですけど、なんかね、途中でファンクとかブラジルの音楽に流れたんです。
でも元が結構J-Fusionの人間なんですよ(笑)
山根幸洋さんが思うSANOVAの曲で一番難しい曲は?
一番難しい・・・。
う~ん、なんだろうな~。
・・・なんだろうな~。ライブでゴリゴリやるぶんには大丈夫なんだけど、本当にちょっと真剣にやろうとすると・・・
「二角形」かな。やっぱり。
【SANOVA】 - 二角形
3rd Album 「BLISS」集録
バンド的には暴れつつもちょっと客観的に引いておかないとバンドがグチャグチャになっちゃうから。
そうそうそう、みんな油断するとどっか持っていかれちゃう部分があるから、慣れてくる頃に持ってかれちゃう。
そうなんですそうなんです。
いやいやいや、難しくて。やっぱり(笑)
そうですね~。
あ、あと個人的には、体力的な面で「trick or」 かな。
SANOVA 「Trick or」〜2nd Album Elevation〜
2nd Album 「Elevation」集録
何度やっても左手が痛くなって限界を迎える(笑)
何度やっても体力がつかないっていう(笑)
ヤバイですよ(笑) 1曲弾き終わったら腕パンパンになってますよ(笑)
大変です(笑) もう、こんだけ弾くバンドはないんで(笑)
体力をつけておかないと持たない(笑)
もうホントに音数が多すぎます(笑)
多いです多いです。
さっちゃんが隙間を空けるのが嫌いなタイプなので、「行ける所まで行ってくれ」という指令が(笑)
「BLISS」 は 1枚目と雰囲気は若干似ているんですけど、音数が全然違いますもんね。
そうなんですよ~。
さっきの「枯葉」も、CDではスラップなんですけど、最初のデモの段階では指弾きの音の嵐という(笑)「これを弾くのか」と。
でも「一回試しにスラップでやらせて」とやったらスラップが採用されたんですよ。
実はデモの段階の方が激しいっていう。
山根幸洋さんがSANOVAの曲でベーシストにオススメする曲はどの曲ですか?
アルバムの中でも結構色んなリズムやジャンルがあるんですが、「空知らぬ雨」とかね。
最後の展開のラインとかライブ感+ちょっと練ったフレーズになっているので面白いと思います。
空知らぬ雨 / SANOVA 3rd Album 『BLISS』
1:36~
3rd Album 「BLISS」集録
山根幸洋さんがSANOVAの曲でベーシストにとって「良い練習となる」曲はどの曲だと思いますか?
練習といったら「trick or」 、あとは「MITAMA」とか。
エイトビートの良い練習になります。
SANOVA 「MITAMA」〜2nd Album Elevation〜
2nd Album 「Elevation」集録
「MITAMA」はエイトビートの良い練習になります。
山根幸洋さんがSANOVAの曲でドラマーと合わせていて面白い曲はどの曲でしょうか?
なるほど。
千里ちゃんの場合は、千里ちゃんがラテンなど得意なので「reminisce」とか、やっていてお互い「あっ!」というような感じになったりしましたね(笑)
SANOVA 「reminisce」〜2nd Album Elevation〜
2nd Album 「Elevation」集録
あとさっきのリハーサルやって今度は「Graceful Day」も何か所か「あっ!」みたいな。
ニヤリとする瞬間がありました。「Graceful Day」は 結構ベースとドラムが良く絡んでいるので面白いですね。
SANOVA 『Cloud9』 PV 「Graceful Day」
1st Album 「Cloud9」集録
やっぱりこれはやっている人でないと分からない部分ですよね。
TwitterなどでもSANOVAのコピーをする人達が増えていますが、「これ実は聴いている以上にやると楽しいんだぜ」みたいのがあればなぁと思って質問してみました。
なるほど。
結構ね、ライブを見て頂かないと分からないニュアンスで弾いているのもあって、それも見て頂くと多分わかると思います。
ノリ方とかもCDとLIVEだとだいぶ違うかもしれないです。
ドラマーの川口千里さんの良さは何だと思いますか?
川口千里さんの良さは何だと思いますか?(他の方と比べるという意味ではなく)
ちなみに今までに一緒にやられたことはありますか?
一緒にやるのは今回が初めてです。
千里ちゃんは単純に技量があるんですけど、SANOVAの音源を聴いて、かなり果敢に自分の色を出してくるドラマーです。
それが全然邪魔じゃないというのが本当に素晴らしい。
まだリハーサルを含めて3回くらいしかやっていないんですけど、もう完璧に自分のものにしていますね。
僕は、やってくれちゃったほうが面白いと感じます。
僕もそれに乗るし、こちらからも仕掛けるし、そういうのが面白いですね。
そうですね。
やっぱり人の色が出ていますよね。
それはライブで是非聞いてもらえればと思います^^
やーまんさん、丁寧に答えて下さってありがとうございます!
インタビューから見えた「山根幸洋がベーシストとして選ばれる理由」。
前回の 川口千里さんのインタビュー と同じ感想を持ちました。
曲・音楽全体を考えている
んだな~と。
■ 難しい曲は? → 二角形。勢いは出すけど客観的に見て引いておかないとグチャグチャになる。
■ ベーシストにオススメの曲は? → MITAMA。エイトビートの練習になる。
などなど。
「このベースのフレーズが超難しいよ。」とかいうのはほとんどなかったですね。
ベース単体といよりバンド全体の熱量やバランス、基本ともなる8ビートの練習・・・ととても音楽的な回答ですよね。
流石です。
当たり前かもしれないけど、やはり音楽全体の事を最初に考えられることこそが、ベーシストとして選ばれる理由なんでしょうね。
「ブラジル音楽界若手きってのファーストコールベーシスト。」と呼ばれるのも納得です!
山根幸洋さんのSANOVAでの演奏を聴いて思ったこと
インタビューのあとでSANOVAのライブを見させていただきました(実はSANOVAのライブは初)
やーまんさんのベースは立ち位置が本当に良いですよね。
立ち位置といってもステージ上の位置ではなく、音楽的なポジションのことです。
やーまんさんのベースは
音楽の足場をキレイに整えて上質な絨毯を敷く
ような感じを受けました。
ベースという楽器の特性上もあるんだけど、基本は下を支えつつソロなどではしっかり前に出る。
さらにSANOVAでは堀江沙知というフロントを際立たせて、今回は川口千里という超強烈なキャラがいるなかで下を支えつつ盛り上がる場所を用意するみたいな印象です。
やーまんさんが一番目立つ・・・という位置ではないけど、目立つべき人の前にレッドカーペットを敷いて際立たせてくれているような気がしました。
音楽全体をグググっと底上げしている存在ですよね。
こういう人がいるとかなり助かる気がします。
サッカーでいうボランチみたいな存在ですよね。攻撃と守備のバランスを取るポジション。超重要ー。
やーまんさんは6:4で守備めなボランチのイメージ(マニアック
またMCではぐいぐいと引っ張っていっていた気がします。
やーまんさんのMC良いですよね^^
バランス感覚に優れたベーシストさんだと思いました。
ちなみに大変と言っていた「trick or」ですが、見ている感じでは全く疲れや大変さを見せずサラッとやってしまっていた気がします。
そういう面は見せない・・・プロですね~。(ここで暴露しちゃってますが←
山根幸洋さんのベースの機材・エフェクター
山根幸洋さんの機材はかなりシンプルです。
【ベース】BOSSA OB-6
ベースは「BOSSA OB-6」を使用。
【エフェクター】BOSS GT-1B
エフェクターは「BOSS GT-1B」というベース用マルチを使用。
基本はアンプ直のサウンドで、たまにディレイやモジュレーションを使用するためのマルチです。
【おわりに】山根幸洋さんのSANOVAでのベースについて詳しく知ることができました!
久しぶりにお会いしてインタビューをさせていただきました。
落ち着いていて優しく面白い。
本当に良いですよね~。
またSANOVAでのベースについて根掘り葉掘り聞いてみて「こういうことを考えているんだなぁ」と新たな発見がありました。
SANOVAのファンの方、コピーをする方は結構ためになった情報な気がします。
「二角形」のアドバイスはコピーしてバンドで合わせるうえでとても役に立つ・注意すべき点ですよね。
このインタビューを楽しんで頂けていれば嬉しく思います!
川口千里がドラマーとして選ばれる理由。インタビューから見る超絶技巧ドラマーの考え方。【ドラム】
やーまんさんにインタビューをした次にドラムの川口千里さんにもインタビューをさせていただきました。
SANOVA最新アルバム「BLISS」
発売後 何週にもわたりiTunesランキング1位をキープした最新アルバム 「BLISS」。
曲別でも全曲がiTunesランキングにランクインするアルバムです。こちらも是非!