John Pearse 600L ジョンピアーズ アコースティックギター弦
この弦は・・・
錆びやすい!
気をつけたいのが「使用前に錆びていることが多い」ということ。
使用していて錆びやすいのも困り物だけど、使用前・交換するために開封していたら錆びていたというのは論外!
だけど、この問題は今でも多く「新品を買ったのに錆びていた」という話はちょくちょく聞きます。(他店での話だけどこれを聞いて対処に力を入れるようになりました。)
※今回は「600L John Pearse (ジョン・ピアーズ) 12-53」を基に対処方法などを書いていきます。
最後に家庭でもできる弦の保管方法にオススメのアイテムを紹介しているので是非使ってみてください^^
John Pearse(ジョン ピアース) 600L 弦が錆びる原因について
錆びは化学反応
John Pearseの弦、特に細いゲージの弦のサビの多くは「弦と弦が接している部分」に起こることが多い。 パッケージに収まるように弦は巻かれていて、弦同士が接している部分が黒ずんだり、茶色くなっていたりする。
今までの錆びについて色々と調べたり専門家の方々に聞いて教えて頂いた知識として、弦同士が接すると「電池」という化学反応が起こり錆びになる。 詳しくは空気中にある水分が加わると起こります。 湿気が高い状態にあればあるほど化学反応は起こりやすくなる状態。
John Pearse 600L の弦のパッケージ・梱包方法
John PearseやGHS Progressives の弦は梱包がかなり弱いです。
紙袋に各弦が入っていて、それらをまとめてビニール状の袋にいれてある。
密封すらされていないです。
少し前まではこういう物が主流だったけど、最近は密封されているものが増えています。 ただ密封されている物も梱包に不備のあるものも多く完璧とは言えないのが現状。
防腐処理の紙袋の存在するらしいですが、John PearseやGHSはまだそういうのではなさそう。
完全に空気にさらされていて、ずっと空気にあたっている状態。
空気から守る気がゼロで、「そりゃ錆びやすいよ!」という梱包状態!
入荷したら全ての弦の状態をチェックしています。
手元に届くまでで錆びている可能性もあるので、調べられるものはチェックして問題ないものは次の対処方法に移っています。
John Pearse(ジョン ピアース) 600L 弦の保管方法
弦の錆びは化学反応やパッケージも起こることを書いてきたけど、「弦の保管方法」でも原因はありそうです。
購入までは各店舗で保管されています。
通販のお店はどういう保管方法かは分からないんですが、楽器店に寄ると弦はフックにかけられているパターンが多いです。 もしくはカゴに入っていてセールで販売されているなど。
「弦の劣化や錆びに対して何も対策がなされていない」
弦の梱包が貧弱なうえに、陳列で何も対策がなされていないという状態と言えます。
陳列された弦が1~2日で売れていれば現に対して影響はそこまで受けずに購入者の手元に行くけど、何日陳列されているかは分からない。
買う人がいなければ、1週間、1か月とそのままのケースもありえるのかもしれない。
こういう状態であれば「新品を買ったのに錆びていた」という不可思議な状態があるのも理解できますね。
Amazonでの管理方法も微妙かもしれないです。
というのも、Music Lifeの購入後のアンケートにて「以前Amazonで購入したら錆びていた、しっかり対処しているMusic Lifeで購入させて頂きました」と教えて頂いたことがありました。
Amazonの保管方法は分からないですけど、楽器店のような状態であれば結果として同じように錆びやすくなってしまうのかもしれないです。
一般人が過ごすには問題ないけど、弦・金属が錆びにくいような湿度管理は去れていないのかもしれません。
John Pearse(ジョン ピアース) 600L 弦を錆びさせない方法
錆びる原因などを書いていきましたが、ここから錆びさせない方法を書いていきたいと思います。
John Pearse 600L の湿度と酸素を減らす
弦が錆びる原因は主に「水分」。
空気中に含まれる水分を減らすことが錆び防止に繋がります。
そのために使うのがこの二つ。
空気中の湿気、酸素を吸収・減らします。
「錆びの原因は水分」と書いたので、水分を減らす除湿剤だけで良いのでは?
と思う人もいるかもしれません。
もちろん除湿剤だけでも効果はあるんだけど、さらに効果をUPさせるために脱酸素剤もいれています。
酸素を減らすことで大気の総量を減らす=水分も減らすことができます。
さらに除湿剤の効果で湿気を減らすことができます。
ダブルでの効果があり錆びへの対処をしています。
John Pearse 600L を真空パック(脱気・密封)
除湿剤(シリカゲル)と脱酸素剤を入れた弦を真空パック用の袋に入れます。
しっかり奥まで入れてから、脱気(空気を吸う・抜く)&密封をします。
除湿剤&脱酸素剤をパッケージの真ん中に置きましたが、ここでようやくその意味が出てきます。
脱気をすると空気が無くなりペシャンコになります。
脱気の加減にも気をつけつつ、シリカゲルなどが弦の上に来て弦を圧迫しないように気を付けています。 真ん中は弦がない部分なので、弦への影響はありません。 弦への悪い影響は出来るだけ最初から排除しておきます。
John Pearse(ジョン ピアース) 600L 弦の封を2回して、より密封状態にして錆びさせない!
最後の封は熱での封となっています。
一回の封で充分とされていますが、空気は小さな隙間から出入りします。 髪の毛の細さの隙間からも着実に空気の出入りがあります。
ですので、二回封をしてより出入りが少ないようにしています。
真空パック作業は弦に対してとても効果があります。
この対処方法の中で最重要作業です。
なぜなら真空パック(脱気・密封)をしなければ除湿剤・脱酸素剤の意味がないからです。
脱気・密封をしていないと空気がずっと出入りしてしまうのが理由。
除湿剤は吸い取れる「限界」があり、「この大きさの除湿剤だと~ccの湿気を吸い取れますよ~。でもこれ以上は吸えないから除湿剤入れてても意味はないよ~」というのがあります。
空気の出入りが自由ということは、最初の空気は対処できても循環したあとの空気には対処できない時が来るということ。 限界が着てしまったら除湿剤の効果はないのです。 その状態で入れっぱなしにしていても無意味です。
密封されていないものに入っていても意味はほぼないと言えます。
和菓子などの個包装でも脱酸素剤など入っていますが、確実に密封されていますよね。
John Pearse(ジョン ピアース) 600L 弦の真空パックの袋にもこだわり錆びさせない!
真空パックの袋にもとてもこだわっています。
「真空パック用の袋」と言ってもたくさんの種類があるんですね。
Music Lifeで使用している袋は、酸素透過度が低く、湿気を通さない袋です。
「酸素透過度が低い」というのは「酸素を通さないよ~」という意味。
袋って微量ながら空気を通すんです。
何かの袋に入って密封してるから絶対完璧・・・とは必ずしも言えないんです。
酸素透過度の低い素材、高い素材というのがあるので、それによって空気を通しやすいかどうかが決まります。
「空気を通すよ~」という袋を使用して密封&脱酸素剤を入れても、効果は薄い・長期間は効果を発揮できないという意味になります。
湿気を通さないというのも同じです。
湿気の出入りがある袋でいくら除湿をしても効果が薄いんです。
ただ除湿剤を入れれば完璧というわけではなく、しっかりと対応した袋を使用しなければ正しく効果を発揮する事ができないということです。
地味な部分でパッと見では分からないですが、重要な部分です。
「除湿剤が入っています」「脱酸素入れてます!」というだけでは安心できません。
John Pearse(ジョン ピアース) 600L 弦の保管方法
真空パックまででもかなりの効果がありますが、John Pearse、GHS、DRなどの錆びやすい弦は保管方法でさらに対処をしています。
前述のように保管方法はとても大事です。
ずっと空気にさらしていれば劣化しやすく錆びる可能性もあります。
保管している間に劣化をするのは極力防ぎたいです。
家庭でもできる対処方法としてオススメしたいのが
「密封されたケースに入れる」
ということ。
John Pearse(ジョン ピアース) 600L 弦の保管に良いケース
手軽に購入できるので良い物があります。
これかなり良いです。
現在は他のを使っていますが、以前はこのメーカーのを使用していました。
上記のは8Lですが、多めの弦がある・余裕を持たせたい場合は容量の大きいのをオススメします。
湿度計も備わっているので外から中の湿度が分かってとても便利です。
John Pearse(ジョン ピアース) 600L 弦の保管に大切な除湿剤
上記ケースで密封した場所に入れるのは効果があります。
さらに中に除湿剤を入れる事で効果が上がります。
実際上記ケースを購入すると小さい除湿剤が付いてきます。かなり小さいのですぐに限界がきてしまうと思います。
色々と探した結果、個人的にオススメしたいのがこの除湿剤。
この除湿剤は、吸い込む限界が外から色(青→赤)で判断でき、限界まで来たらコンセントに挿すことでリフレッシュさせることができる優れモノです。
以前は一つ一つの除湿剤を購入し使用していましたが、使い捨てでずっと買い続けないといけないためコストがかかるのが悩みでした。
これは何度も使えるので1つ買っておけば完璧。
この対処法で劣化や錆びはかなり抑えられますが、入荷~販売までの弦が新品の物でないと効果は薄いので気を付けてくださいね。
購入した時点で錆びかかってるのはどうしようもないので。
もっと安くて小さいケースが欲しい人は「HAKUBA ドライボックスNEO 5.5L スモーク KMC-39」がオススメ!
もっと小さくてもっと安いケースが欲しい人は「HAKUBA ドライボックスNEO 5.5L スモーク KMC-39」も良いと思います。
John Pearse 600L 890円(税込) 12-53 ジョン ピアース 【弦を錆びさせない方法】
色々と書いてきましたが、弦が錆びていないのは普通です。
新品の弦は新品というのが普通で、出来る限り劣化していないのが望ましいです。
「新品のを買ったのに錆びていた」
これは僕も経験がありますが、本当にやるせないです。
お金を出して新品を買ったのに使えないし、錆びているのは張っても気持ち良くはありません。 劣化しているのは気持ち良くありません。
そういう嫌な経験をしてしまった事、それを他の人が経験しないで済むように。 そういう思いからこの対処方法に至りました。
かなり効果はありますが、探せばもっと改善できる部分があると思っています。
これからも改善点を見つけ次第対処していき、より新品で劣化の少ない鮮度の良い弦をお届けしたいと思っています!
Music Life 宮尾範和
■ 600L John Pearse (ジョン・ピアーズ) 12-53 890円(税込)