音楽には色々な「機材」がありますよね。
僕はギターを弾いているのでギター周りだけ見ても、ギター、アンプ、エフェクター、シールド。
さらに細かく見ると電源・サプライ、電装系、PU、マイク、DTM関連・・・などなどたくさんあります。(楽器ごとに色々とありますよね)
できるだけ良い物を使いたい!
良いものが欲しい!!
そんな事を思ってしまいます。
良い機材を持つに越したことはありません。
この考えは決して間違いではないんだけど、行き過ぎると別の道に向かってしまう可能性があるんですよね。
僕も間違った道に行ってしまった過去があります。
その失敗や最近思うことがあるので色々と書いていきたいと思います。
頭の片隅に「こういう考え方もあるな」と思ってもらえたら嬉しいです。
機材好きの人には是非とも読んで欲しいです!
3m 36.000円のシールドや良いと言われた機材を買い続けていた昔
20歳くらいの頃は「良い音を出したい」という想いがとても強かった時期でした。
また同時にPCをガッツリ使うようになって、色々な情報を得られるようになった時期でもありました。
そうするとね、良いと言われる物の情報があり過ぎて全部欲しくなるんですよね!(笑)
バイトでお金を貯めては「反応が良く、太く、艶やかな音色の出る」シールドを買いました。
Van Den Hulというメーカーので3mで 36000円!!
ギターシールドにしては高い!!
今はLava Cableで出しているようで2万円代で買えます。
他にも良いと言われるPUを買ったり、良いと言われるギターを求めて楽器店を周ったり、こっちのが音が良いと言われるエフェクターを買ったり。
とにかく「良いと言われる物」を買っていました。
そんな時期もありました。
今はD.A-Lineという4800円のシールドを使っていますが、確実に昔よりも良い音を出せています。
良い機材を揃えるのは間違いではない。 良い機材をできるだけ早く買っておいた方が良い。
こうやって書くと機材に対して批判的な意見が出そうですが、僕は「良い機材は早めに揃えたほうが良い」と思っています。
関連記事 良い機材をできるだけ早く買っておいた方が良い3つの理由。
なので「高い機材ばっかり揃えたってね(笑)」なんていう気はないです。
むしろガンガン買って試して知識を蓄えた方が良いと思っています。
良い物を買うのも、機材をたくさん買うのも間違いではない。
だから高いシールドを買ったのも悪いわけではなかったんですよね。
でも、自分の中で大事な考えが欠けていたなと今なら思います。
良い音は結局は本人の技術とセンス。高い機材に頼り過ぎてはいけない。
機材は大事なのは言わずもがなで否定する要素はありません。
でも、音楽を奏でるうえで大事なのは
本人の技術とセンス
なんだと感じます。
機材は大事だけど、機材に頼り過ぎてはいけない。
機材が普通でも凄まじい人がいる。
この考えに至ったのがトッププロを色々と見たからでした。
ここからかなり重要ですよ!
DEREK TRUCKS(デレク・トラックス)のギターが天才的に素晴らしい
DEREK TRUCKS(デレク・トラックス)というギタリストがいます。
DEREK TRUCKS(デレク・トラックス) とは
オールマン・ブラザーズ・バンドのオリジナル・メンバーであるブッチ・トラックスの甥で、9歳からギターを弾き始める。
10代前半からオールマン・ブラザーズ・バンドのライブにもゲストとして参加するようになり、エリッククラプトンのライブでもギターを弾く。
「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年は第81位、2011年の改訂版では第16位を獲得する。
以前たまたま動画を見た時に超驚いたんです。
なに、この説得力と音の良さ!!
で、この人のスゴイのは機材なんです。
ライブで見たDEREK TRUCKS(デレク・トラックス)の機材
僕のいるアイリッシュバンドのトゥクトゥクスキップのリーダーよねっちさんの話し。
ライブに行ってプレイも音も凄まじ過ぎて感動した!
どんな機材を使っているのかと思ってステージを見ると、ギターとアンプの間にはシールドがあるだけだった。
そう、エフェクターが全く無かったんです。
これはwikipediaにも掲載されていることで
メイン・ギターはギブソン社のSGで、スライドバーにはデュアン・オールマンが使用していたことで有名なコリシディン(風邪薬)のボトルを愛用している。アンプはフェンダー社のスーパーリバーブで、エフェクターはまったく使用しない。シールドは、プラネットウェーブ社のカスタムシリーズを使用。最近では、ポール・リード・スミスが2009年に発表したアンプを導入している。
です。
ギターとアンプ、シールドのみ。
エフェクターは使っていない。
同じギター機材を使ったとしてもこんな音は出せないぞ!
動画を見て驚いて、機材を見て驚いた。
確実に今の僕はこのようなプレイ、説得力のある音を出すことは出来ない。
同じ機材を使ったとしても確実にこんな音は出せません。
ギター、アンプ、シールドという最小限の機材だけで、ここまで凄まじい音を出す。
最初は「意味わからん」という状態でした。
「これはデレクがスゴイからだね」とも思ってた時期がありました。
さらに色々な人を見てると色々と考えが変わってきました。
ギタリスト田中義人さんの機材を見て思ったこと。
先日「【最新】ギタリスト田中義人さんのエフェクターボードを解析!ギターを支える機材の数々を紹介!」という記事を書きました。
田中義人さんは葉加瀬太郎さん、井上陽水さん、スガシカオさん、スキマスイッチさん・・・などなどトップアーティストのサポート・RECなどをしている日本を代表するギタリストで大好きなギタリストです。
音も好きだし上手いし、とにかくプレイのセンスがずば抜けています。
義人さんがUPしていたボードを見て驚き。
詳しくはブログ記事を読んで欲しいんだけど、最初見た時に「Marshall The Guv'nor(ガバナー)」とかも使ってて驚いた。
そこで思ったのが2点。
でした。
ガバナーは生産時期は生産国によって音が違うのでも有名だけど、ガバナーを使っても100%義人さんの音を出すことは出来ない。 あの説得力は出せない。
ガバナーの音を進化させたエフェクターを使ったとしても確実に出せない。
同じガバナーを使ったとしても同じ音は出せない。
あんな魅力的な音・感動させる音は出せない。
これはもう機材どうのこうのじゃない気がした。
Biréli Lagrène(ビレリ・ラグレーン)の使うギターはYAMAHA PACIFICAで5万円
最近「Biréli Lagrène(ビレリ・ラグレーン)」というギタリストの動画を良く見ています。
昔は良さが分かってなかったけど、最近少しずつ理解できるようになってきて天才ぷりに驚いています。だから見るのが楽しい!
ビレリ・ラグレーンはJAZZ系の人でフルアコやアコースティック系のギターを良く使っています。
下の動画ではエレキギターを弾いています。
「カッコイイし相変わらず上手いな~」と思いつつ見てて"とあること"に気が付きます。
あれ?このギター「パシフィカ」じゃない!?
パシフィカとは「YAMAHA PACIFICA」です。
調べてみると使用モデル発見。
「ヤマハ エレキギター PACIFICA PAC611HFM RTB」というモデルでした。
価格は・・・55,728 円!!!
5万円!?
僕は先程のビレリの動画を見て、普通に良い音だと思った。
5万円のギターからあの音が出せれば充分過ぎると思いませんか?
(そしてP90のPUのギターが欲しかったのでPACIFICAが超欲しくなったのでした。)
レジェンド達の音の良さ。昔の機材で最高の音を出すギタリスト。
他にもたくさん書くとキリがないんだけど、今やレジェンドと呼ばれる何十年も前のスーパースターのライブを見ても音が悪くない。むしろ今でも通用するとも思えます。
Eric Clapton - Layla(1999)
などなど。
Queen は30年前、クラプトンは20年前、Stevie Ray Vaughanも30年前のライブ。
その時の機材でこの音と強さを出してくれています。
同じ機材を使っても同じ音は出せない気がするなぁ。というか絶対出せない。
聴く人の音の好みはあれど、決して悪いレベルの音ではないと思います。
過去の作品を見聞きしても良い音が多い
今まで聴いてきたCDやライブなどの音を聴いてもだいたいは良い音なんですよね。
今から考えると微妙な機材や悪いとされる機材を使っているのにも関わらず。
例えばアンプシミュレーターなどで一世風靡した「Line6 (ライン6) アンプシミュレーター POD 2.0」。
当時は画期的でこのアンプシミュレーターをプロのアーティストも実際にCDでも使っていたりしました。
でも今はわざわざこの機材を選ぶ人はほとんどいないはず。
Line6から色々と新しいものが出ていてそちらのほうが良いですし。
なのでこの機材は旧式・古いものになります。。
でも見方を変えると「昔の機材でもここまでの音は出せる」ということの証明でもあります。
PODを使って製作されたアルバムを聞いて「ギターの音が良いか悪いか」を聞いてみます。
もし「良い・悪くない」だったら、この機材でここまでの音は出せる証拠になるんですよね。
最新の機材の方が良いかもしれないけど(多分良い)、最新ではなくても良い音は出せる。
これはPODに限らず昔の機材全般に言えます。
アンシミュで言えば今なら「Fractal Audio Systems Axe-Fx」に置き換えられますね。
2、XL、3とバージョンUPして最新の物が良いのは確実だけど、1をを使っていた人CDやライブ音源を聞いても充分良い音でカッコイイ音を出しているんですよね。
マルチエフェクターでもコンパクトエフェクターでも、古くても良い音を出している人がいるんですよね。
尊敬するスタジオギタリストが現在で「BOSS GT-3」のマルチエフェクターを使っていて驚きました。
良い音は機材だけが作るものではない
音にとって機材はとても大事な要素です。
しかし、「良い音は機材だけが作るものではない」のです。
そう感じたのは目の前で凄いのを見せられてしまったからです。
宮脇俊郎 氏のギターの凄さ! 知られざる〇〇の超絶テクニック!
宮脇俊郎さんというギタリスト・ギター講師がいます。
かなり有名で教則本には学生の頃からお世話になっていました。
だいぶ昔にD.A-project氏に付き添い宮脇俊郎さんのスタジオにお邪魔させて頂きました。
D.A-BoosterやD.A-Lineを試して頂きました。
そして「せっかくシールドを持って来てくれたから弾き比べをしよう」となりました。
色々と弾いてみて・・・全然違いが分からないという結果に(笑)
これはシールドの質がどうのこうのではなく、「宮脇さんが無意識に気持ち良いトーンにして弾いていた」ということでした。
自動的に&瞬時に宮脇さんの好みの音に右手がチューニングしてくれてたんです。
弾き方を変えてる感覚は無かったようなので、自動です。さらに瞬間でいつもの音になっていたので状況判断とどうすればチューニングできるかの知識は凄まじいと思いました。
この日の出来事を間近で見て感じたのは「ギターは機材とかよりも右手が重要なんだな」ということでした。
あの魔法のようなEQ調整を目の前でやられるとビックリしますから!(笑)
シールドの弾き比べは「無意識に変わる前の音で判断しよう!繋いで5秒以内だね(笑)」ということで色々と楽しませていただきました^^
関連記事 宮脇俊郎 氏のギターの凄さ! 知られざる〇〇の超絶テクニック!
同じ機材を使ったのにJAZZ ギタリストの音の太さに驚愕
以前、東京ギターショー(TGS)にD.A-projectで出展したことがあります。
ここに映っている機材はほとんどが僕の機材です。
ブースにてD.A-BoosterやシールドのD.A-Lineをたくさんの人に試奏してもらえました。
出展中に知り合いの道祖尾ギター教室の道祖尾さんが来てくれました。(読み方は「さいのお」さん)
JAZZをメインにあらゆるジャンルを教えています。
道祖尾さんも僕の機材で試奏してくれたんですが・・・出音の太さが全く違う!
ん?どういうこと??
僕が普段使っている機材なのに、出てきた音の太さが桁違い。
音だけ聞いたら同じ機材を使っているとは絶対思えないレベルです。
これを聞いた瞬間に「弾き方でこんなにも変わるんだなぁ」と思いました。
東京ギターショーの記事はこちら
新しい・良い機材を追いすぎなくても良いのではないか?ある程度の機材が揃ったらもう自分自身を良くするだけ。
今まで色々な動画や情報を見て、上手い人を間近で見てきて思ったのが
新しい・良い機材を追いすぎなくても良いのではないか?
でした。
「機材を追うな」ではなく「追いすぎなくても良いかも?」です。ここ重要です。
良い機材・新しい機材を求めるのは悪いことではありません。
お金や時間があるなら求めて購入するのがベストです。
批判をする気はゼロです。
でも、音楽は機材だけが決めるわけではないなと思うようになりました。
あまり良くない機材でも上手い人が使うと聞こえ方は変わります。
良い機材でも初めて1ヶ月の人が使ったら良いとは聞こえないはずです。
機材は重要だけど、やはり扱う人で決まるんですよね。
そう考えるようになってから、
ある程度の機材が揃ったらもう自分自身を良くするだけ
だと思うようになりました。
「もう少し〇〇だったらな」と思ったら、そういう音が鳴るような弾き方を考えて修正していく。
こういう考え方と練習の方が結果的に良い音になっていきます。
最新のエフェクターなんか揃えなくても、ギターとアンプで破壊力抜群の音を奏でるDEREK TRUCKS(デレク・トラックス)とかがいるわけですから。
どんなに良い機材を揃えても自分がデレクに近い技術や説得力を持たない限りあんな音は出せないですよ。
機材はほどほどのでも自分がとにかく強くなれば良い音を出せる。
ゲームのRPGで初期装備だとしてもLV90になってればかなりダメージ与えられますよね。
Biréli Lagrène(ビレリ・ラグレーン)と同じ5万円の「YAMAHA PACIFICA」を使えば機材面では同じなので理論上は同じ・近い音が出せるはず。 聴覚上で良いと思える音は出せるはずです。
ビレリの音を良いと思ったのなら30万40万のギターは必ずしも必要がないということです。(エレキギターの場合は)
機材も大事だけど機材に頼り過ぎないで自分の実力を上げることが、さらなる良い音を、さらなる良い音楽を作る
良い機材は「音質」以外にも操作性や時間短縮や自分の求める音に近づくなどのメリットがあります。
なので、自分の求める機材を日々探しつつも同時に
を磨くのが大切なのだと思います。
音楽を奏でるうえで大事なのは
本人の技術とセンス
です。
機材は大事だけど、機材に頼り過ぎてはいけない。
機材が普通でも凄まじい人がいます。
良い音が欲しくて新発売の機材を求め続けて疲れてしまったときは、「上手ければ良い音・巧く聴こえる」という考えも持っていると楽になれます。
機材も大事だけど機材に頼り過ぎないで自分の実力を上げることが、さらなる良い音を、さらなる良い音楽を作りますよね^^
※この記事ではわざと「良い音」という言葉を使って書きました。機材だけみた良い音、演奏者の腕が加わった良い音、上手く聴こえる弾き方、感動させられる音・・・様々 な種類がありますが最後を見据えた音として伝われば嬉しいです。
こんな記事もおすすめ