「好きなことを仕事にしたい。」
「好きな事をやって生きていきたい。」
そう思う人は多いはずです。
僕自身も好きなギターで活動し、好きな楽器機材で楽器店などを経営しています。
好きな事で生きていこうと目指す人も多く、好きな事で生きていくには大変なことも多いのも事実です。
そのなかでよく聞く言葉が
「好きなことを仕事にしてはいけない」
「好きなことを仕事にすると嫌いになる」
です。
先日もそういう記事を読んで文中で同じ言葉が使われていたのですが、「これって違うんじゃない?」と強烈な違和感を覚えました。
今回は「好きな事で生きていく人が失敗しないための考え方」を書いてみます。
この考えが少しでも役に立てれば嬉しいです。
好きを仕事にすると、好きなことが嫌いになる
僕が読んだ記事では「文章を書くのが好きで仕事にした」というものでした。
文章を書くこと、というよりブログ運営がとても楽しく、大好きでした。
ブロガーを仕事にした結果、ブログを書くことが苦痛になり、ブログ記事を書くことが出来なくなった。「自分のやりたいこと」と「やるべきこと」が乖離(かいり)していった。
フリーライターをやりだして、文章を書くことが苦痛になった。
好きを仕事にすると、好きなことが嫌いになる。
というもの。
これを読んで「ん?おかしいぞ? こうなるのは当り前じゃないのかな?」と思いました。
先に書くと僕自身は「好きな事を仕事にした方が良い」と思っています。 「仕事にすべき」とさえ思っています。
好きなことをしてお金を稼いで暮らしていけたら最高ですよね。
ただ、「好きな事を仕事にするのは大変な事も多いよ」とも思っています。
なので、この例ですと文章を書くのを仕事にするのも素敵ですし、嫌いになるのも別に有りで悪い感情はありません。
この方自身を否定する気は一切ないです。(ちょっとややこしい書き方になりますが)
でも「好きを仕事にすると、好きなことが嫌いになる。」と繋げるのは流れ上ちょっと違う気がする。
このケースの場合は
「好きな事」を勘違いしているから「好きを仕事にすると、好きなことが嫌いになる(なった)。」
なのではないかと思いました。
「好きな事」を勘違いしているから好きな事を仕事にして苦しくなる
人は何かしら好きなことがあって、これでやっていけたら・お金を稼げたらいいな・・・と思いますよね。
前述の方は「文章を書くのが好き」でした。
でもそれを仕事にしたら苦痛になっていったと。
「文章を書くのが好き」というものの捉え方が間違っていると思いました。
捉え方を間違えて自分の好きな事を勘違いしてしまうと、「好きな事を仕事にしているのに苦しい」という状態に陥いりやすいです。
「好きな事だけど好きではない」を仕事にするから苦しい
「好きな事」といっても、全てが好きというわけではないと思う。
前述の記事の方を見ても「文章を書くのが好き」なのは間違いはないけど、本当に好きだったのは
何も気にせず自分の好きな事を書く
だと思うんです。
好きな事を書いて、評価されて、お金も入って・・・これが楽しくて好きだったのではないかなと思うんです。
この状態は最高に楽しいですよね! 分かります。
でもいざ仕事にしてみると色々と考えるようになります。
「稼げる書き方はどれか?」
「どうすればもっと稼げるようになるか?」
「文章を書いて欲しいという依頼を受けた。どう書こう?」
「どうやったら見てもらえる文章になるか?PVを稼げる記事を書けるか?」
などなど。
「何も気にせず自分の好きな事を書く」のが好きだった場合、「文章を書く」のは同じだけど頭の使い方や前提が変わってきますよね。
お金のことを考えて、自由に書くのを抑えたかもしれない。
依頼を受けた場合は自分の好きな事を書くわけではないですので依頼内容に合わせて自分なりに書ける内容を書いてお金を頂いていただかもしれません。
「自分のやりたいこと」と「やるべきこと」が乖離(かいり)していった。
フリーライターをやりだして、文章を書くことが苦痛になった。
文章を書くことが苦痛になった原因は、乖離といういう面もあるけど「文章を書くのは好き」だけど、本来の本当に自分の好きなことから離れていったから苦しくなって苦痛になっていったのだと考えます。
「やりたいこと・やるべきこと」というより、「好きな事の違い」なのかなと。
ご本人の分析と僕の主張は似ているようでちょっと違います。
ここで言いたいのは「好きの種類が大切」ということです。
実際に好きな事をやっているようでやっていない状態で「好きを仕事にすると、好きなことが嫌いになる。」と思うのはちょっと違うのかなぁと思いました。
厳密には間違ってはいないけど、本当はやりたいものではないことであって、続けてたら苦しいよね・嫌いになっちゃうよねって。
好きな行為のはずだけど、好きの中に実はあまり好きじゃない部分があって、その部分が主軸になってきてしまったのだと思います。
こういうことは他の事でも当てはまります。
焼肉が好きでも焼肉店をやると失敗する
例えば、「焼肉が大好き!」という人がいたとします。
焼肉オイシイですよね。僕も大好きです。
「焼肉が大好きだから、焼肉屋をやろう!」
という人もいるかと思います。
この考えは少し危険なんです。
なぜかというと
本人は焼肉を食べるのが好き
だから。
焼肉を食べるのが好きなのであって、
焼肉を振る舞うのが好き、
焼肉を食べてもらって喜んでもらうのが好き、
焼肉店を経営するのが好き、
・・・などではない可能性があります。
「焼肉」というワードで繋がっているけど、食べるのが好きなのとお店を経営するのはちょっと違いますよね。
好きなものだから頑張れるというのはあるけど、やはり違う。
ラーメンを食べるのが好きというのでも、「自分の理想を追求する」「ラーメン店を経営する」のも少しずれている可能性もあります。
「好きの種類が違う」んです。
好きなもののはずなのに、自分が望んでいることとはズレている・違うという状態。
このズレがあると最終的に苦しくなってきます。
好きな音楽・ギター・ベースなどを仕事にしたい人も注意
僕はギターを仕事にしていますが音楽にも同じような事が言えます。
「ギターを弾くのが大好き!ギターで食っていくぜ!!」
と思う人も多いはず。
でも、「ギターが好き」というのでも色々な人間がいます。
・・・などなど色々ありますよね。
好きなジャンルや曲を弾くのは誰でも好きだと思う。
でも、お金を稼ぐ場合「Pops(ポップス)を演奏をする」という仕事があったとします。
好きなジャンルではなかったら「好きなギターを演奏してお金を稼ぐ」でもちょっと変わってきますよね。
「好きなギターだけど、俺が好きなのはこれじゃない」という具合。
ロックが大好きなのにお仕事で演歌を演奏するのが多かったとしても「俺はこれがやりたいんじゃない」とか。
この場合ギターを弾くのが好きだけど根本に「(ギターが目立つ音楽の)ギターを弾くのが好き」なだけかもしれません。演歌やポップスなどは歌がメインでギターが必ずしも目立つものではないですもんね。
またコピーをするのが好きな人に「ガッツリ考えさせる曲」をやらせた場合もしかしたら苦痛に感じる人もいるかもしれない。
ギターが好きと言っても
「カッコイイと思った曲をコピーするのが好きだから、これをやってお金になれば最高!」
「自分の好きなジャンルを弾くのが好き!だからこれをやって生活する!」
という考えなのにズレた仕事ばかりをしたら、嫌になってしまう人もいるはず。
さらにうまく稼げずに「稼ぐためにやりたくない事もやる」としたらさらに苦痛になります。
中には本当に「ギターが弾ければ何でも幸せ~」という人もいるので、そういう人こそ天職なのだと思います。
別のことが苦手で嫌いになる人も
例えば、「ギターを弾くのが好き」だとしても「家で弾くのが好き」な人が外でリハーサル・ライブをする仕事を選んだらストレスが溜まっていくかもしれない。
自分の作りたい曲を作るのが好き、な人がお仕事・依頼でたいして作りたくない曲を作っていたら苦痛になるかも。
作りたい曲を作っていても人気を得られず「やむなく流行りの要素をいれる」ようなことを繰り返して嫌気がさしてしまう人も。
稼ぎ口として教える事をやっているけど、ギターが弾くのは好きだけど教えるのは好きではない。 でもお金のためにやる・・・とか。
さらに戦略なども考えないといけないので、こういう面でもしっかり選ばないと大変ですよね。
好きな野球やサッカーのスポーツも「好き」を履き違えると苦しくなる
野球やサッカーのスポーツも「好き」を履き違えると苦しくなります。
友達とまったり楽しくスポーツをするのが好きな人が、勝負の世界でいつクビになるかどうかもわからない&ずっと鍛え続けなければいけないプロの世界に行ったら「好きなスポーツを嫌いになる」可能性もあります。
好きこそものの上手なれ、で上手くなっていくし好きなら目指すのも有りだと思っていますが、好きの前提が違うと後々苦しくなっていきますよね。
スポーツは競技が多いので偏った書き方だけど、好き・やりたいこととやることが好きかどうかで消耗しやすいかどうかは関わってきます。
好きなYoutuberになるのもしっかり考えないと苦しくなる
今や人気職業のYoutuber。
HIKAKIN、はじめしゃちょーなどは億単位を稼いでいます。
「バカなことをやるのも動画に映るのも好きだし俺もYoutuberで稼ぐ!」
と思っても、動画編集が苦痛に感じるかもしれない。
人気を得るため稼ぐために独自性ではなく人気のコンテンツを後追いすることに嫌気が差す人もいるかもしれない。
まったり更新が好きだけど、お金を稼ぐために更新頻度を増やさないといけなくて消耗して嫌いになるかもしれない。
「バカなことをやるのも動画に映る」という好きな事をやっててもね。
「好きなことを仕事にする」で失敗しないための方法
色々な例を考えて書いてみました。
一応書きますけど否定してるわけではないですからね。
好きの中に種類があって、合う合わないがあるということ。
そのため「好きなことを仕事にする」で失敗しないためにはまずは「自分の好きをしっかりと理解する」ことです。
そのうえで「自分の好きに当てはまる場所に行く」ということです。
せっかく好きな事をしているのに実は好きではない・嫌いな事をやっていた・・・になってたら悲しいですよね。
それを続けていたらそりゃ「好きなことを仕事にしてはいけない」「好きなことを仕事にすると嫌いになる」など言いたくなります。
今は本当に「好きな事をして生きていく」が可能だと僕は思っています。
全てが簡単とは言わないですけど、好きな事なら続けやすいし、少しは頑張りやすいと思います。
だからこそ、本当に好きでやりたいことを間違えないようにして、しっかり合った道を進む必要があります。
「今でしょ」でお馴染の林修さんの「林修の仕事原論-壁を破る37の方法-」ではこう書かれています。
正しい場所で、正しい方向で、充分な量をなされた努力は報われる。
好きな事がズレていて好きではない事をやっている場所では報われにくくなります。
正しい場所で好きな事をして、そこでお金も稼げて生きていける・・・そんな風に生活できたらいいですよね。
そのためにはまずは自分の好きをしっかりと理解することが重要です。
「私は〇〇が好きだけど、どういう時は好きでどういう場合が嫌い・やりたくないんだろう?」
是非もう一段階掘り下げて考えてみてください。
掘り下げたら自分が進みたい場所・道を確認して、どうやれば成功するかをしっかり考えて走るのが良いと思っています。
フリーランスで生きる以外でも会社に勤めることにも言えるとも思うのでお試しください!
「好きなことを仕事にすると嫌いになる」ことがないように、少しでも良い方向に進めれば嬉しく思います^^
「好きなことを仕事にする」で失敗しないための方法-まとめ-
- 自分の「好き」をしっかりと理解する
- 自分の好きに当てはまる「場所」に行く
好きなことを仕事にするのにオススメの本